ウチには、使わなくなったIQOSとIQOS2.4Plusがある。
ホームページにこう書いてある。
使わなくなった製品について
IQOSデバイス(IQOS ホルダー、IQOS ポケットチャージャー、IQOS イルマ ワン、IQOS 3 マルチ)はリチウムイオン電池を使用しております。
https://jp.iqos.com/
実際の廃棄に関しては、各自治体の区分に従って廃棄してください。
店頭での回収は一切行っておりません。お客様ご自身で破棄いただきますようお願いいたします。
ということで、ウチの自治体に相談してみたけれども、引き取れないという。
IQOSにはリチウムイオンバッテリーが入っているから、そのまま捨てることはできない(危ない)。
リチウムイオンバッテリーは、近所のお店が回収してくれるそうだ。
リチウムイオンバッテリーを取り出した後の装置は、自治体によって取り扱いは違うかなと思うけれど、燃えないゴミとして捨てることができるかもしれない。
ということで分解。
IQOSの分解は危険なので注意。
特にホルダーの分解はかなり厄介で、実際にバッテリーが熱くなったり、火花が出たりした。
この情報により何らかの被害が発生したとしても、当サイトは一切の責任を負わない。
チャージャー
チャージャーは、側面にピックを入れて隙間を作り、マイナスドライバーでこじ開けた。
剥がしたパネルに付いている黒いのは接着剤。こじ開けるときにこの接着剤にも割と手間取る。
バッテリーは丸いのだけれど、配線?が側面に這わせてあって、断面でいうと「しずくちゃん」とか「ぴちょんくん」みたいな形になっている。
なので、バッテリーの接続コネクタを外し、90度回転させてから取り出した。
こんな具合で、チャージャーは比較的簡単にバッテリーを取り出すことができた。
ホルダー
これは、分解というよりは破壊、バッテリーを取り出すのは物凄く大変だった。
こちらは分解して掃除するよ、という動画で、分解の際にとても参考になる。
YouTube / Wan Life TV / 【IQOS 2.4Plus】アイコスの分解と大掃除をしてみました(リンク切れ)
注意:
リチウムイオンバッテリーはへこませたりすると、引き取ってもらえない。処理業者が引き取らないとのことだった。
強く接着されているからと、マイナスドライバー等でグリグリするとアウト。
写真のような感じでホルダーの中身を押し出そうとしたのだけれど、ケースが癒着?しているのか回路が押しつぶされて、ブレードだけが飛び出してきた。
バッテリーに圧力を掛けるのは危ない。
仕方がないので、金属の輪っかを無理矢理ペンチで剥がして、ケースをマイナスドライバーでグリグリと広げ、叩いてようやく出てきた。
今から思うと、金属の輪っかを先に取っておくのがポイントだったかもしれない。
充電用の接点部品と、バッテリーを覆う黒い部品は5mm程度離れているので、叩いたことで部品をそれだけ潰してしまったということになる。
更にここから基板を抜き出すんだけれども、お尻の部分を引っ張っても出てこない。
なので、金属製のカバーの下の部分をニッパーでちょっとだけ切って広げ、基板を引き抜いた。
基板からバッテリーを取り出すのだけれど、強く接着されている場合がある(3本中2本は接着されていた)。
1本目はそれ程強い接着ではなかったので、マイナスドライバーを使っててこの原理で取り出せたが、それでもへこみを作ってしまった。
バッテリーをきれいな形で取り出すためには、充電用の接点部品を壊して取り外し、それからバッテリーを取り外すのが最善のように思われる。
さらに、このバッテリーは先頭部分が半田付けされていた。
なので、何度も上下に動かして、金属疲労で切った。
バッテリー上部にある溝がなんなのかはよく分からなかったが、外すことはできない感じがする。
2本目は結局最後まで中身を抜くことができなかった。
仕方がないので、黒い金属のカバーをニッパーで切って、ペンチで剥いて取り出した。
バッテリーに接着剤が付けられており、傷を付けないように取り出すのが大変だった。
3本目は黒い金属のカバーをニッパーで切ってバラバラにしていく過程で基板を抜き出すことができた。
ただ、バッテリー付けられた接着剤が強力で、貼り付けられた部品ごと剥ぎ取る形になった。
なかなかの破壊作業だが、とても怖かったのが、2本目と3本目はバッテリーがあたたかくなってきたこと。
3本目については時々LEDが光り、マイナスドライバーでバッテリーの下の方をゴリゴリやっているときに、小さな火花が出ていた。
プロフェッショナルはこんな危ないことはしない、きっと分解しやすい道具が用意されていることだろう。
どんなものかが想像できないのは、この方面の知識が全然足りないだけで、きっと何かあるはず。
ともあれ、バッテリーを取り外すことができた。
取り外したバッテリー
取り出したバッテリーには、こんな表記がされている。
大:Rechargeable Li-ion battery
小:RECHAREGEABLE LITHIUM ION CELL
異常な膨らみなどもないし、きれいに取り出すことができたから、チャージャーの方のバッテリーは引き取ってもらえるだろう。
だけど、ホルダーの方のバッテリーはへこみを作ってしまった。これは引き取ってもらえないかもしれない。
機械もバッテリーもきれいに取り出そう、なんて考えるだけ無駄。
廃棄するのであれば、バッテリーの形状を保護するのが最優先。
さいごに
何かを買うときには、それが捨てられるものなのかどうかを考える必要がある。
IQOSだけでなく、コンクリート製の漬物石なんかもそうだけれど、どこにも引き取ってもらえないものがある。
これは、メーカーのせいなのか、というとよく分からない。
使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律の対象になるのかならないのか、28品目ってなんなのか、とか、周辺の法律や、これに基づく自治体の判断とか、回収する側の都合とか、色々なものを詳しく調べて初めて論ずることができるのだろうけれども、自分には難しそうだ。
このページに付いているPDFに、課題として取り上げられていることを見つけるくらいがせいぜい。
環境省 / 産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会小型家電リサイクルワーキンググループ(第6回)中央環境審議会循環型社会部会小型電気電子機器リサイクル制度及び使用済製品中の有用金属の再生利用に関する小委員会(第19回) 議事次第・配付資料
別のメーカーの製品は回収に積極的で、リサイクルが進んでいるようだけれども、IQOSはそうじゃないらしい。
それなら、バッテリーをもう少し簡単に取り外せるようにしておいてくれればいいのに、と思うのだけれども、ホルダーを洗濯しちゃったなんて話を聞いたこともあって、安全を考えたら気密性(生活防水?)って重要なんだろうから、そうもいかないのだろう。
もし現状のままならば、これを買ってしまったら、どこにも引き取ってもらえず、代々引き継がれることになる。
末代までこれらを残したいのなら話は別だが、そうでないなら残念だけど買ってはいけないもの、ということになる。
廃棄って難しい。だから、ものを買うのは難しい。
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